早くから準備しよう! 老後の生活資金
年金制度はどうなる?
老後の生活資金として真っ先に思いつくのは年金。
しかし、その年金制度が怪しくなっている。
「何故、年金制度があてにならなくなってしまったのだろうか?」
その理由は、公的年金制度を設計した当時と比較して、
現在は日本の人口統計&経済状況が大きく変わってしまったからです。
【1961年 (公的年金スタート時の年金制度前提)】
・高齢者1人を現役世代12.5人で支える
・日本人の平均寿命68歳
・年金支給年齢60歳~
【2014年現在】
・高齢者1人を現役世代2.7人で支える
・日本人の平均寿命83歳
・年金支給年齢65歳~
【2030年頃の未来】
・高齢者1人を現役世代1.8人で支える(予想)
・日本人の平均寿命85歳(予想)
・年金支給年齢70歳~(予想)
http://www.ipss.go.jp/site-ad/TopPageData/Pyramid_a.html
(人口統計は国立社会保障・人口問題研究所を参照)
人口問題は、P.F.ドラッカーに言わせれば「すでに起こった未来」である。
20~30年後の予想は、よほどの社会的ダメージ(戦争や大災害)がない限りほぼ当たると思って間違いない。
生活に必要な資金はいくら?
今度は、老後の生活資金を考えてみましょう。
下の表は、平均的な60歳以降の月額生活費をまとめたものです。
モデル | 夫婦2人世帯 (持ち家) |
夫婦2人世帯 (賃貸) |
単身 (持ち家) |
単身 (賃貸) |
---|---|---|---|---|
食費 | 60,000円 | 40,000円 | ||
水道光熱費 | 18,000円 | 12,000円 | ||
医療費 | 16,000円 | 8,000円 | ||
交通通信費 | 22,000円 | 11,000円 | ||
洋服費 | 8,000円 | 4,000円 | ||
教養・娯楽費 | 24,000円 | 12,000円 | ||
交際費 | 40,000円 | 30,000円 | ||
その他 | 20,000円 | 10,000円 | ||
住居費 | 15,000円 | 110,000円 | 10,000円 | 80,000円 |
合計 | 223,000円 | 318,000円 | 137,000円 | 207,000円 |
※持ち家の場合は住宅ローンが完済している前提。
定年後の家計収支バランス
さらに、想定年金収入から前段で算出した生活費を引いた収支を確認してみましょう。
モデル | 夫婦2人世帯 (持ち家) |
夫婦2人世帯 (賃貸) |
単身 (持ち家) |
単身 (賃貸) |
---|---|---|---|---|
年金収入 | 232,000円 ※1 |
232,000円 ※1 |
166,000円 ※2 |
166,000円 ※2 |
生活費 | 223,000円 | 318,000円 | 137,000円 | 207,000円 |
収支 | +9,000円 | -86,000円 | +29,000円 | -41,000円 |
※1 大卒で40年間年金を支払い済みの平均的なサラリーマン家庭の年金額を想定
計算式:国民年金+厚生年金・・・6.6万円×2人+10万円=23.2万円
※2 大卒で40年間年金を支払い済みの平均的なサラリーマン単身世帯の年金額を想定
計算式:国民年金+厚生年金・・・6.6万円×1人+10万円=16.6万円
稼ぐ能力をつける事がもっとも大事!
ここまでご覧になっていただければお分かりのように、老後の生活は持ち家世帯(住宅ローン完済済み)でもギリギリの収支です。
老後になっても住居費を払い続けるとなると完全に毎月赤字収支です。
持ち家の場合であっても、上記の試算表には家の修繕費用等は含まれていません。
さらに病気で長期入院する費用といった高額医療費用も含まれていません。
・ギリギリの生活は嫌だ!
・もう少し余裕のある暮らしをしたい!
・子供たちに迷惑をかけないように老後リスクに備えておきたい!
上記のように思うのであれば、現役世代のうちから老後の準備しなくてはいけません。
老後への備えというと、年金保険や資産運用に目を向けがちですが・・・
これからの時代は他力本願はNGです。
インテリぶった証券マンやファイナンシャルプランナーに自分の未来を託すことは止めましょう!
余計なコストばかりかかって、リターンを得られないケースのほうが多いです。
「あなたの稼ぐ力を養う事」が一番の近道です。