所得格差の原因

まずはじめに格差社会とは、
資産格差(ストック)所得格差(キャッシュフロー)に分別する必要があります。

資産格差を測る指標は、金融資産(貯蓄・株・債券)+社会保障(保険・年金)+住宅

・金融資産(貯蓄・株・債券)
一番わかりやすい指標ですね。
金融資産は多いに越したことはないです。

・社会保障(保険・年金)
普段あまり意識しないですが、隠れ資産ですね。
公務員や一部上場企業のサラリーマンは、この部分が手厚いです。

・住宅
持ち家の場合のみ資産と考えられますが、持ち家だったら誰でも住宅を資産と考えるわけにはいきません。
あなたが住んでいる住宅の正味資産を知る必要があります。
住宅の正味資産とは、【住んでいる家の時価-住宅ローン=住宅の正味資産】です。
物件価値が下がってしまい、正味資産がマイナスに陥っている人の場合は、住宅を資産として考える事は出来ません。

資産格差は自然発生的な要因

社会人としてスタートする20代前半の資産格差は、横一線。
資産と呼べるものはないでしょう。

その後サラリーマンとして順調に出世して定年退社を迎える人や、事業を興して成功する人が出てきます。
そのような人達は、年を重ねる毎に金融資産を蓄えて、社会保障へ備え、住宅を資産化できます。

所得格差

その一方で、病気や家庭の事情で途中リタイヤする人も出てきます。
そのような人達が資産を築くことは難しいでしょう。

つまり年を取れば、自然と資産格差が出来るのです。

これは資本主義経済の元では自然発生的な現象ですね。 この部分の格差を是正する為には、共産主義社会しかなく、あまり議論の余地がありません。

そして、日本人の平均年齢が高齢化しているのは、みなさんご承知の通り。

だから、社会全体が高齢化していく中で、資産格差が大きくなるのは自然現象なのです。

所得格差を測る指標は、職種選びが重要

資産格差に引き続き、次は所得格差について考えてみましょう。

今後の所得格差は、「グローバル社会で通用する仕事か否か?」という事で個人間の格差が大きく広がっていく事が予想できます。

既にその傾向が分かりやすく、顕著に出ているのはスポーツの世界。

1995年に野茂秀雄が近鉄を退団して、メジャーリーグへ挑戦しました。
独特のトルネード投法でメジャーリーガーから三振をバッタバッタと奪い、日本人投手が米国メジャーリーグで通用する事を内外に知らしめました。

その後も巨人軍の4番バッター松井秀喜、7年連続首位打者をキープしていたイチロー、日本球界のエースだった松坂が続き、完全に日本球界で活躍した後に、メジャーへの移籍という流れが出来た。

そして野球だけでなくサッカーでも、市場のグローバル化が見られました。

1998年に中田英寿がベルマーレ平塚からイタリアペルージャへ移籍し、
さらに名門チームが群雄割拠するセリエAで活躍した。

その後、日本代表選手の海外クラブへの移籍は当たり前になりました。
現在では欧州クラブで経験のない日本代表選抜はいない程、皆海外に目を向けている。

スポーツの世界には既に国境はありません。
最高の場(生活環境・収入・やりがい)を提供する市場に、スペシャリストが集まるのです。

スポーツ選手の世界で見てきたように、グローバル社会で通用する仕事というのは、英語が出来るとか関係ないのです。

世界で通用する人というのは、
その存在価値の稀少性で勝負している
のです。

ビジネスマンとして所得格差の勝ち組になる為には?

存在価値の稀少性のある仕事とは一体何か?

ビジネスマンに置き換えると、職業の専門性という事になるでしょう。
分かりやすい職種だと、「医者」「弁護士」「会計士」「技術者」。

それ以外にも、特定分野に詳しく尚且つ経験を積んでいる人であれば、世界で通用します。
世界で通用する人の年収は青天井。

逆に、IT化によって代替可能な仕事に従事している人や、低賃金で働く東南アジアの労働者にとって代われるような職業に従事している人は、現在よりもさらに収入が低くなる事を受け入れざるを得ないでしょう。

だから、所得格差が広がる事は避けられません。

ビジネスマンにとって勝ち組に入るか否かは、「どの分野のスペシャリストを目指すのか?」という事でほぼ決まるでしょう。

その為に必要な要素は、以下3つ。

・俯瞰
・仮説構築
・行動

まずは、社会にどのようなニーズがあるのか俯瞰してみたらいかがですか?
社会のニーズは仕事(求人)になって具現化します。

社会を俯瞰する為の情報源として、転職エージェントを利用するのはかなり有効です。

【参考資料】

統計局発表のジニ係数のデータを閲覧する事が可能です。

平成21年全国消費実態調査 各種係数及び所得分布に関する結果

このページの先頭へ